Molecule Plane

1986年生まれ。京都府出身。

大阪芸術大学にて電子音響音楽の作曲および多層化立体音響システム「アクースモニウム」演奏を学び、同大学院博士(前期)課程を修了。2012年にフランスで開催されたアクースモニウムの演奏講習会を受講。CCMC 2011では佳作入選、同2012ではMOTUS賞を受賞している。

現在ではアクースモニウムの演奏やRoute09名義でのクラブイベントへの出演経験を活かしつつ、モジュラーシンセサイザー、ノイズマシン、リズムマシン、フィールドレコーディングなどの音を素材に、それらを持続的な音色として標本化したものを多数レイヤーすることによって生じる複雑な協和/不協和や位相変化、空間密度といった響きをコントロールすることで、聴覚体験のみで視覚的なイメージや記憶を喚起させるような作品制作とライブを行う。それらの活動は、音楽評論家の阿木譲に「アカデミックな現代音楽と尖端的なクラブミュージックの狭間に立つ者」と評される。

2014年よりMolecule Plane名義での活動をスタート。『Acousticophilia』(2016)、『SCHEMATIC』(2017)、『Apocrypha』(2022)と3枚のソロアルバムを発表し、BandcampではEP『Fragmentary Passage』シリーズやライブレコーディングアルバム『Extra-Ordinary』シリーズなどを配信している。また、『a sign 2』(2020)、『MEDIUM AMBIENT COLLECTION 2022』(2022)をはじめとしたコンピレーションアルバムへの参加や、リミックス、サウンドプロデュースなど、リリースは多岐に渡っている。

これまでに瀬戸内国際芸術祭、奈良・町家の芸術祭はならぁと、KYOTO EXPERIMENT、KYOTOGRAPHIE、大阪関西国際芸術祭、ボンクリ・フェス、Kansai Festival of Modularなど多数の芸術祭や音楽祭に出演し、FUTURA(仏)、SILENCE(伊)といったヨーロッパの電子音響音楽のフェスティバルでも作品がたびたび上演されている。

マルチプル・ミュージック・スタジオ「Push it! Studio」を主宰し、自身の作品制作のみならず、福間創(ex. P-MODEL)、テンテンコ(ex. BiS)、檜垣智也、Merzbow、人間石鹸、nehanなどのマスタリングを手掛けるほか、レコーディングやミキシング、アクースモニウムやインスタレーションの音響技術、企業や映像作品への楽曲・効果音提供、機材コンサルティング、ワークショップ講師、執筆など幅広く事業を展開している。

電子音響音楽グループ「hirvi」メンバー。日本電子音楽協会会員。

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